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和食編:粋でいなせに江戸前料理を味わう

 

和食は「会席・懐石料理」だけではありません。「にぎり寿司」や「蕎麦」といった江戸前料理も、日本を代表する料理のひとつ。外国人観光客にも人気のメニューになっています。とはいえ江戸時代から続く、本来の食べ方は、意外と知らないもの。江戸っ子になったつもりで、粋にいなせに江戸前料理を楽しんでみましょう。

にぎり寿司の考案者は華屋与兵衛?

寿司は紀元前4世紀頃の東南アジアで誕生したといわれています。日本へ伝わったのは平安時代。この頃は「なれずし」と呼ばれており、保存食として食され、現在も近江地方に
伝わる「鮒ずし」のようなものでした。その後、関西地方には「押し寿司」の原型にもなった「箱寿司」が現れます。これらの寿司は、酢飯の上に具を乗せ、型枠で押し込んだものが一般的。江戸時代に入っても、寿司といえば関西風の「押し寿司」が主流で、屋台などでも売られていました。
東京湾の魚を酢飯に乗せた江戸前の「にぎり寿司」が登場するのは、江戸時代末期(19世紀初頭)のことです。最初は生魚ではなく、煮たり炊いたり、また酢〆、醤油漬などにした魚介を使っていました。手が込んだ箱寿司とは違い、切ったネタをシャリに乗せて握るだけ。すぐに食べられることから「はやずし」とも呼ばれ、江戸中で流行しました。当時のネタは、穴子、烏賊、蛸、蛤、海老、貝、コハダ、かすご(鯉)、さより、キスなどでした。
「にぎり寿司」を考案したのは、江戸ですし商を営んでいた華屋与兵衛(1799年〜1858年)
だという説があります。1824年に華屋を開業。ワサビを使った、現在の形に非常に近い寿司を出していたそうです。

にぎり寿司は手で食べるのが通

「にぎり寿司」は、もともと江戸時代の屋台料理。手で食べるのが当たり前でした。箸で食べてもかまいませんが、やはり粋に手でいただきたいもの。握り方の基本は、親指と中指で側面を持ち、人差し指でネタを押さえます。このまま逆さにして、シャリとネタにしょうゆをつけ、また向きなおして食べます。このとき、しょうゆのつけすぎは野暮。普通は一口で食べますが、大きすぎるときはシャリを半分にして先に食べ、残ったシャリをネタに巻くようにしていただきます。あらかじめ職人さんに、「シャリは小さめで」とお願いしてもかまいません。
出された寿司は、時を置かず、すぐに食べるのがマナー。時間が経つとネタが乾いたり、温まったりしてしまいます。寿司は握りたてが一番。おしゃべりやお酒に夢中にならないように気をつけましょう。
また、変に「通ぶる」ことは避けたいもの。同伴の人に語るのはかまいませんが、職人さんや他人に薀蓄を傾けるのは、あまりほめられることではありません。

お寿司の専門用語

お寿司屋には独特の専門用語があります。代表的なものを覚えておきましょう。

シャリ(すし飯):白く細かいすし飯が仏舎利(お釈迦様の遺骨)に似ているため、そう呼ばれるようになったそうです。
ガリ(甘酢漬けの生姜):噛むときや削るときにガリガリと音がするので「ガリ」と呼ばれます。
アガリ(お茶):最後(アガリ)に出すことから、お茶のことを「アガリ」と呼んでいます。
ムラサキ(醤油):色合いから、この名前で呼ばれています。
ナミダ(わさび):効きすぎると涙が出ることから「ナミダ」と呼ばれるようになりました。

そばは江戸時代から続く人気の和食メニュー

そばといえば、そば粉を練って伸ばして、細長く切ったものだと認識されていますが、最初は「そばがき」といい、そば粉を練っただけのものでした。現在のような細長い「そば切り」(麺状のものはこう呼んだ)が食べられるようになったのは、小麦粉をつなぎに混ぜるという技術が生まれた享保頃(江戸時代中期)からです。それまでは100%そば粉使用の「生そば」でした。
ちなみに、よく「二八そば」などといわれますが、そばの価格が16文だからという説と、そば粉8割、小麦粉2割で打ったからという説とがあります。また、冷たいそばは「もり」、温かい汁そばは「かけ」と呼ばれており、この名前は今も変わらず使われています。

蕎麦つゆはつけ過ぎると野暮

江戸前のそばといえば、やはり冷たい「もり」や「ざる」そばでしょう。端から取りやすいように盛られていますので、ひと口を目安に箸でつまみ、つゆにつけてすっと食べます。そばを大量に取ったり、途中で噛み切ったりしてはいけません。もちろんつけ汁を飛ばすものNGです。
つゆには、好みによって薬味(ねぎ、わさび、大根おろし)を入れます。つゆが濃い場合は少しだけ、甘めのときはしっかりつけてもかまいません。ただ、そば猪口にどっぷり浸すのは野暮。あまり大きい音でなければ、すする音がしてもいいでしょう。
全部食べ終わったら、猪口に残ったつゆに蕎麦湯を入れて、ほどよく味を整えてから飲みます。

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